ベルベー

禁じられた遊びのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

禁じられた遊び(2023年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

年間ワースト候補入りは確実と思って観たけどどっこい結構面白かった。ごめん中田秀夫。だって事前に面白いと思える要素全然なかったじゃんよ。

と言っても最早ホラーとしての面白さは求めてはいけない監督であることは間違いなく、本作も前半のホラー描写は退屈。後半からのB級オカルトモンスターパニックとしての楽しさが良い。同じくB級オカルトモンスターパニック映画だった「事故物件」より軽快でスリリング。「事故物件」より明らかに映像がチープになっているにも関わらず。いや規模の割に大変そうなオカルト描写入れまくった自業自得だろうけど、貧相なVFXはちょっと悲しかったな。

去年の迷作「"それ"がいる森」と大きく違うのは恐怖の対象が人間、まあ生き霊だったりモンスター化したりするが、元となるのは生身の人間、ということ。中田秀夫は俳優陣から狂気的で不穏な演技を引き出すのが上手い(反対に、何故か平場の演技が皆いつもより下手に見えるという弱点もあるが…)。そして俳優陣も監督の演出に応えた怪演を見せてくれる。

変顔どころかマリリン・マンソンみたいな極悪メイクにバラバラショーまでやり切るファーストサマーウイカは勿論、目バキバキな新納慎也、微妙に上手くないのが逆に良い長谷川忍も。特筆すべきは息子役の正垣湊都で、脚本の捻りに合致した、凄く不気味な存在感を発揮していて◎。

そうそう、プロット的には「ペット・セメタリー」の翻案なんだが、日本は土葬じゃないのでまんまパクるのは無理だった結果、むしろおどろおどろしい設定になっているのが面白かった。オチの救いのなさも近年の和製ホラーでは突出していて良かったんじゃないでしょうか!

と言いつつ、平場のつまんなさはやっぱり改善して欲しかったけど…。
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