垂直落下式サミング

禁じられた遊びの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(2023年製作の映画)
3.5
ハシカン主演のホラー。
なんだかなあ~なのは、霊能力番組の嘘臭さと古臭さ。リン・ピョウ・トウ・シャ!ナンチャラ・チャンチャラ・ゼン!ちゃんと胡散臭いけど、オールドスタイル過ぎて逆に新鮮。
ノストラダムスもマヤの予言も嘘っぱちだったとわかった世界のパラダイムにおいては、やりすぎ都市伝説すら役目を終えたのだから、いま真っ正面からオカルトを肯定する番組は作りにくいでしょうに、あんなインチキ臭くちゃあ悪霊に手も足も出ないわなあ…。
本作が描いているのは、オトナの欺瞞。子供に本当のことを教えないこと。もしくは、からかってウソを教えることの危険性を啓蒙しているような気がした。
お父さんは、トカゲは実は切り離したシッポからも胴体が生えてくるんだと言って、それが原因で息子と妻の魂は魔と繋がってしまうし、橋本環奈は、母親の葬式でお母さんにまた会えるよね?と聞く子供を前にして、なにも答えられないから、少年はトカゲの尻尾のようにヒトも生き返るハズだとあるはずのないことを信じ続けてしまう。
彼を子供扱いせずに、しっかりと一緒に家族として死を乗り越えていきましょう。そういうこと。道徳を欠いたら、人は生活できないんだよ。
中田秀夫監督は、ホラーの巨匠の前にメロドラマの人なのは重々承知だけれど、この期に及んでひとりのオトコをめぐるベタなオンナの戦いなのは、ちょっとどうなのかな。令和の世の悪霊に、このドロボー猫!なんてセリフをこかれちゃあ、怒ったかんな、許さないかんな、ジェロムレバーンナ!
ハシカンが主演だから、見所は彼女の登場シーンぜんぶなんですけどね。毎秒みろ!焼き付けろ。衣装持ちで嬉しいな。カメラマン、オフィスレディ、喪服、フリフリなシャツにサロペットスカート、ゆったり部屋着、フォーマルなパンツスタイル、類いまれなる七変化。永遠の美少女なのかと思ったら、しっかりと働いているオンナの人の役もできるんだな。
愛車は黄色のルノーカングー!あたいはミニバンでヒップホップをかけるオンナ!あたいはパリピでアウトドアのオンナ!めちゃめちゃいいオンナ。まさに、千年に一人の逸材。
横髪をコメカミのところに伸ばして垂らす若い女の子がよくやってる髪型は、サイドバングって言うらしいですよ。
新卒の子とお話ししてたら、思いの外会話が弾んで、髪型変えた?可愛くなったねー。なんて言ってみたら、そうなんですー。気に入ってますー。ふふん♪なんて言いながら、指でふぁさっってやられたもんですから、おじさんは撃ち抜かれちゃいました。
Z世代とオシャベリしちゃったワ!なんてことを喫煙所でわいわい話してたら、酒焼け声のスレた同期の女性社員に「おっさんチョロ(アイコススパー)」と煽られてしまいましたとさ。
ついでに、うちの彼女に禁煙まもってないことと、若い女にデレデレしてることチクられて、帰ったら大目玉でした。オンナこわい。