パトリス・ルコント監督がジェラール・ドパルデュー主演で映画を撮りたかったと言う新作。
原作は"メグレ警視シリーズ"でベストセラーの有名な推理小説。
過去に名優らが演じてきた役柄。
身長180cm体重100kg。原作に最も近く忠実だというドパルデューの名演技が冴えていた。
1953年のパリ、モンパルトル。
シルクの高級ドレスが血に染まった若い女性の刺殺体が発見される。捜査を依頼されてメグレ警視が動くのだが...
被害者の身元を掴むのもままならない中、地道な捜査と優れた観察眼で犯人を探すのだが、犯人よりもメグレ警視は殺された若い女性が誰なのか?どんな人物なのか?そちらに気持ちを寄せて難事件を解明していく...
決して派手な展開はなく、メグレ警視が話を静かに淡々と聞いて行く姿勢、人間の深み、人を想う優しさなど、メグレの人柄が際立っていた。
ドパルデューは今まではギラギラ?ギトギト?っぽいイメージもあるけど、今作は年輪を重ね、枯れてるからこその哀愁感たっぷり。その表情の1つ1つにとても安心感があり染み入りました。
ルコントとドパルデューの相性バッチリの秀作ヒューマンドラマを堪能しました。