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ちびまる子ちゃんのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

ちびまる子ちゃん(1990年製作の映画)
4.2
(記録もれ)

ファンから愛されている伝説的で、昨年劇場公開されて評判が良かった作品というぼんやりした情報だけ聞いていた。Netflix配信が開始されたのでその日に鑑賞。

花輪君の爺やに静岡駅まで黒塗りの車で送って貰う時に奇妙な幸福感いっぱいなアニメーションと伴に大瀧詠一「1969年のドラッグレース」がかかり、なんかこれまで見たちびまる子ちゃんと違うぞ、とワクワクする。
その後も
「ダンウッド・レゲエ」CAMPUR DKI
「はらいそ」細野晴臣
「買い物ブギ」笠置シヅ子
「星を食べる」たま
などが作中でかかる度に、異世界に連れていってくれるような不思議なアニメーションが合わさる。
特に「買い物ブギ」「ダンウッド・レゲエ」のドラッギーなアニメはなんだ!湯浅政明っぽいぞと思ってたら湯浅さんが手掛けてるらしい(ぼんやり情報)。

そのトーン&マナーと、物語の本筋のメロドラマの食い合わせがこれまた奇妙。
お絵描きのお姉さんとまる子の出会いから交流を始めていく展開が良い、というか好き。自分はこういう展開が好きなんだなぁと思いながら見る。
「はちどり」で主人公と塾の先生の、年の離れているけど何か共鳴し合う二人、という部分に胸が熱くなっていたのを思いだす。
それだけに、まる子がお絵描きのお姉さんに2回目に会いに行った時に、座りながら客待ちするお姉さんの物憂げな表情を見て、「え、もしや死んじゃったりとかする映画なの、、」と心臓がぎゅっと絞られるような苦しい予感があったけど、
お絵描きお姉さんが、北海道に帰郷した彼氏を追いかけるシーンで、「あぁー良かった。恋愛メロドラマか。」と安心しつつ、少し残念な気持ちにもなった。

ちびまる子ちゃんで恋愛ものかぁ、さぁどうなると見守っていたけど、ジャングルジムの上に登ってお姉さんの晴れ姿を一目でも見ようとするまる子とお姉さんの目が会い微笑み合ッタ瞬間に、ぼろぼろ泣いてしまった。まんまと。

音楽の授業で聞いた「めんこい仔馬」の絵を書く事になり、お絵描きお姉さんとの親交が深まる話の進め方も良く、作者さくらももこさんの体験をベースにしたものかな?と想像したりも。
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