みずけん

愛と哀しみのボレロのみずけんのレビュー・感想・評価

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
3.9
ヨーロッパ映画的な重厚感と、ハリウッド映画的なスペクタクル感を兼ね合わせた、カロリー激高映画。これは映画館じゃないと見れない。

国もバックグラウンドも違う登場人物たちの人生を並行して描くグランドホテル形式の映画なんだけど、それに加えて複数の時代を扱っているせいでボリュームが膨れ上がり全貌を把握するのはほぼ不可能に。親と子を同じ俳優が演じてるのも難解さに拍車をかけてた。

ただそれぞれのシーケンスはしっかり作り込まれており、「ナチス兵と付き合っていたせいで戦後に迫害されるフランス女性」、「ヒトラーに絶賛されたことが後々になって尾を引いてしまう天才指揮者」などなど、どれも興味深いものばかり。

最初は3時間は長すぎる、と思ったが、扱ってるストーリー的にはむしろ5時間近い「完全版」を見た方が釈然とするかもしれない。若干の説明不足と駆け足感、足切り感のせいで消化不良な作品だった。
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