Matilda

愛と哀しみのボレロのMatildaのネタバレレビュー・内容・結末

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

5年前に録画していたのを名作だと知りながらなかなか見ていなかったので、鑑賞。

冒頭20分は幸せいっぱいの映像。しかしそこから戦争が始まり徐々に緊張感が増していく。開始40分くらい(赤ちゃんを置いていく場面)でもう見てられなくなるほど…。
4つの国のそれぞれの登場人物たちが本来ならば出会うことはなかっただろうに、戦争によってつながってしまい、話が進む。
占領中も音楽を楽しんで指揮するカール、戦時中でも衣装を着てバレエを踊るタチアナ、収容所でバイオリン演奏をするアンヌ。胸は痛むが、音楽の計り知れない可能性を感じるシーンだった。サラの曲で再会するシーンもすごく良かった。

後半、占領も終わって少し明るい雰囲気になるが、子供の行方を時が止まったまま探し求めたり、交通事故が起きたり、ユダヤ人から敵討されたりとまだまだ悲壮感が漂う。
そんな中でも、みんなが音楽を心の拠り所とし、音楽と共に生きていく様から、自分自身も、音楽に畏敬の念をもって、多様な音楽にこれからも触れていきたいと感じた。

音楽がテーマなので、クラシックもジャズも多様なジャンルが映画中に散りばめられていて、悲しい映画のはずなんだけど楽しめる場面も多い。
ブラームス、ベートーヴェンの交響曲やソナタ、そしてテーマのボレロが出てくるので、のだめを思い出した。もしかしたら作者さんはこちらの映画から着想を得たのかも、なんて。
バレエのシーンもたっぷりあって大満足。有名なバリエーションは出てこないけど、激動の時代背景というのもあってか、軽やかな踊りには重みがあり、ダンサーさんの踊りにひたすら感動する。
「愛と哀しみのボレロ」という邦題にも納得。パリオリンピックを見るのが楽しみになった。
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