ゴジラ-1.0のバンギラスのネタバレレビュー・内容・結末

VSシリーズをリアルタイムで劇場鑑賞していた私にとって、ゴジラはカッコいいダークヒーローです。

ゴジラの人智を超えた、天災とも言える暴力の数々。
ただ、歩いただけ、泳いでいただけで人間を、そして人間が築いて来たものを0にしてしまう力。
そこに人間自身が作り上げた最恐の兵器による放射能の力で最悪の状態にまで突き落とす。
こんなにもゴジラの負の部分、マイナスの部分が強調されたものは無かったのではないでしょうか？
VSシリーズで、ゴジラが他の怪獣と対峙した時に自然とゴジラを応援していた私が、ゴジラが出現して恐いと思ったのは初めての感情であり、それだけ衝撃的な映画となりました。

死ぬ為に戦った戦争から、死ねずに日本に帰って来た人々が、戦争の化身、災厄、超常と生きる為に戦う。
ゴジラ映画の根幹にある反戦や反核が強烈に押し出された作品でした。

唯一の被爆国である日本でしか産み出せない怪獣、そして映画シリーズ。
その70周年であり、30作目の節目に相応しい作品となったのではないでしょうか。