ひがが

ゴジラ-1.0のひががのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

新作なのでネタバレありで。

ゴジラ最新作。今回は山崎貴監督作品。
ALWAYSでもチラッとゴジラ出したり、ゴジラ・ザ・ライドを監督していたりと、ちょくちょくゴジラ作品を手掛けていた山崎監督待望の作品。
ゴジラ好きとしては待望の作品。年内になっても情報が少なかったので不安になっていたけど、無事公開されて良かった。

おそらく県内最速の上映会で鑑賞。

時代設定としては、戦後、復興過渡期の日本。
そこにゴジラが表れて日本を負へ落とし込むという話。

率直に言って面白いです。すごく良かった。
今まで初代ゴジラが神格化されてきていて、あまり現代以外の設定で作られていなかったゴジラシリーズで、時代設定をあえて初代と同時期の戦後に持っていくのは、山崎監督が自分の土俵に持って行ったなぁって感じがして良かった。
でも悪かった点というか気になった点もチラホラ。
文章でまとめるのが難しいので、良い点悪い点は下記に箇条書きにします。長いです。

★良かった点
・ゴジラの迫力が凄い。
今までのゴジラは大きすぎて、イマイチ人的被害の感じが伝わらなかったんだけど、今回は多分50m位でそこまで大きくない。その分人間との対比がリアルで良かった。今回は人が踏みつぶされたりするシーンが多いので生々しさが良い。
また、不気味さがあったシン・ゴジラとは違って、今回のゴジラは狂暴で明らかに人を狙っているし、攻撃的。掃海艇を狙うシーンとかヒヤヒヤさせられました。
そんで、何といっても今回の熱線がやばい。アニメ版のゴジラを抜いたら今回の熱線は群を抜いてやばいって感じた。
シン・ゴジラはレーザー的なヤバさだったけど、今回は一点強化型。核爆発が起きたんじゃないかレベルでのヤバさ。これはビビるので、映画館の大画面、大音量で観てほしい。

・海の演出が凄い。
今作は歴代シリーズに比べて海での戦闘シーンが多いのだけど、その海の映像の感じが凄い。CGなのか実写を使っているのかよく分からないけど、滅茶苦茶綺麗で海中を泳ぐゴジラの姿が怖い。
掃海艇に迫るゴジラとか中々襲われる目線での映像がなかったのでヒヤヒヤしたし、駆逐艦を襲うシーンも今まで無かったからある意味斬新に感じた。

・ゴジラの倒し方が良い。
今までのゴジラ対策としてはSF的な空想科学で対策していたのに対して、今回のゴジラ対策は割と現実的な倒し方で、水圧の急激な変動によってゴジラへダメージを与えるというもの。
現代とは違って物資も無い中で、工夫して対策しているのが良かった。海神作戦時のBGMとかがあのゴジラで、シン・ゴジラのヤシオリ作戦と同じくらい熱くなった。

●悪いと感じた点(気になった点)
・ゴジラの動きがちょっとアトラクションっぽい。
ゴジラの動きが派手なのは良いんだけど、どこかアトラクションっぽい動きに見えた。山崎監督がそういうものを作っていたってのもあるんだけど、なんかライド系アトラクション的な画面の動きが多かった気がする。

・ゴジラ自体の掘り下げなし。
ゴジラがどういう存在で何故怪獣となったかがサラっと流されていた感じ。
めっちゃ序盤にジュラシックパークみたいなゴジラが現れて、こいつがゴジラだってなって、そこから資料映像みたいにビキニ環礁の実験映像でゴジラがデカくなりましたみたいな感じで本当にサラっと。
やっぱりゴジラの出自って核の脅威だからもう少し丁寧に描いてもらった方がうれしかったかな。
序盤のゴジラとか急に出てきたから、正直唐突感否めない。もっと大戸島では怪獣が出ている噂があるという下準備があった方が良い気がしましたね。

・ドラマ演出が強め。
シン・ゴジラとは違って神木隆之介君が演じる敷島の人間模様に重きを置いているから、そういうものなんだろうけど、ちょっと演出過多な感じがした。出てくる人たちも全部ドラマって感じが強くて、どうしても演技臭さを感じてしまったなぁ。これが山崎監督の良さではあるんだけどね。
最後もちょっとご都合主義感があって、浜辺美波が爆風に巻き込まれて死んだように見せかけて、実は生きてましたってそれってどうなの?って感じ。せめて意識不明だったけど目が覚めたくらいがちょうど良かったんじゃないかな。

色々書いたけど、総合的には大満足のゴジラ作品。
どうしてもシン・ゴジラと比べてしまうけど、あれはまた別ベクトルの作品なので、比較するのは適切ではない気がする。でもシン・ゴジラにドはまりした俺的にはちょっと劣る評価になっちゃうかな。すみません。
シン・ゴジラのテンポ感苦手で、ちゃんと人間ドラマを観たいって人には今回の映画は刺さる気がする。

神木隆之介君も浜辺美波もみんな良い演技していたし、一つの作品としてとてもクオリティは高いと思います。
時代観も日本っぽくて海外ウケしそう。今年公開作品の中でも結構いい部類に入るんじゃないか。
是非劇場で鑑賞を!
ひがが

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