このレビューはネタバレを含みます
太平洋戦争終結直後の東京にゴジラが上陸。瓦礫しかない日本が、戦争以上に厳しい状況にどう立ち向かっていくかという話。
“無”（終戦直後）から“負”（マイナス＝ゴジラ襲来）というテーマ、舞台設定、作品タイトル、キャッチコピーなど全体的に興味を惹かれました。「これは観なきゃいけない！」と前のめりになって、公開を楽しみにしていました。
またタイトルの『−1.0』はコンピューターのOSなどのバージョン表記のようで、今風でひねりがあって面白いと思いました。
“無”の人間ドラマの量が多く、“負”ももっと見せてほしかったです。ドラマが多いということで、演技の素晴らしい俳優が揃っていて見ごたえはとてもありました。佐々木蔵之介さんは少しくどかったけど。
銀座の崩壊ぶりが容赦なくて、せっかく復興しはじめた街や、多くの人が無惨に蹂躙されていくさまはつらい。ゴジラの熱線の威力や爆発音は鳥肌たつほどの迫力でした。だからこそもっと見たかった。日本をさらにめちゃくちゃにして、絶望感でいっぱいな雰囲気にしてほしかったです。
ゴジラ出現時の有名なテーマ？曲がここぞというタイミングで流れてさらに鳥肌。私は子どものころに平成初期のシリーズを追いかけていたので懐かしさもこみ上げました。
戦艦や戦闘機を追って頭を左右させるゴジラが猫っぽくて、意外に可愛かったです。また、目つきの悪さは我が家の猫を思い出しました。
戦艦がやたらかっこよくて、模型出したら売れるんじゃないでしょうか。4隻並べたくなります。最後に登場した戦闘機も、成り立ちが男心くすぐられる設定でよかったです。
10歳にも満たないような子どもが観に来ていて、怖かったんじゃないかなと少し心配に。『VSビオランテ』とか『VSスペースゴジラ』とか楽しいのもいっぱいあるよと布教したかったです。
気になったセリフがいくつかあって、“ジリ貧”は当時から使われてた言葉？“恐竜”は当時の人にはよく知られたものだった？
