歩葉戸路素

ゴジラ-1.0の歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「や…山崎監督だし…」
と警戒していたゴジラ新作
個人的にかなり良作なモンスターパニック映画なのではないか…!?と思える内容だと思った!
シン・ゴジラが70点だとしたら
ゴジラ−0.1は120点ぐらい…!?

序盤の闇の中から巨大化前の絶妙なサイズのゴジラが出現して見張り塔を破壊し人間の頭を丸齧りしたりするシーンの衝撃さよ…!!
(まんまジュラシックパークじゃねーか!ってツッコミはNG)
正直ゴジラの恐怖度はこのシーンがピークだった感はある、やはり大怪獣よりリアルな大きさの化け物の方が根源的恐怖心を植え付けられるのかも

ヌルヌル機敏に動くゴジラは完全に洋画のモンスターパニックなのだが
演出などが和製特撮を思い起こされるカットが多く、いわばまさに洋風和風の闇鍋であり良い意味で個性的な内容だったのでは…?
初代ゴジラのカットをオマージュしつつ現代のハリウッド怪獣映画のエッセンスを入れた
パニック映画の欲張りセット!

怪獣映画に革命を起こしたスピルバーグ監督の「宇宙戦争」では、逃げる民間人の目線から捉えられた巨大怪獣という演出が超革新的で
この「俯瞰的なカットで民間人には巨大すぎて捉えられない怪獣」という演出は、以降の怪獣映画で何度も何度も模倣され続けられるのだが
実は怪獣映画の本場である日本では(予算の都合かも)中々導入されなくて…
あの高予算のシン・ゴジラでも使われていなかった
でも山崎ゴジラではその要素が多大に使用されていて巨大さを存分に体感できる!
海の中から顔だけ現れて漁船を追いかけるシーンとか宇宙戦争に匹敵するし、日本の特撮でトップクラスの迫力だと思う
それと水圧を使ってゴジラを倒すという計画は絵的には地味だが斬新でセンスオブワンダーを感じて良かった

特撮シーンは革新的で凄いド迫力なのだが
人間ドラマパートは…やはり、山崎監督のいつもの「三丁目の夕日」な感じなので…そこは期待しすぎない方が良いかも(笑)
自分も山崎監督のドラマ演出は結構苦手な方だから…
茶川先生が喋るたびに吹き出しそうになるし
でも白組系映画でよくある元ネタを歪めた思想強めなテーマはなく、ちゃんと初代ゴジラと同じく反戦反核をストレートに描写していてとても好感度が高かった
大日本帝国や特攻隊という野蛮な昔の日本を否定し「誰も犠牲者を出さずにゴジラに勝つ」というのはかなりグッと来た
ゴジラ映画あるある「お次は何だ!?」なオチも好き
歩葉戸路素

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