どす

ゴジラ-1.0のどすのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

シン・ゴジラから7年ぶりのゴジラの新作ということで楽しみに見に行きました。

結論をいえば大変素晴らしい作品であるという一言につきます。
敗戦で物資も心も疲弊した中でゴジラが東京を襲うといった過去一番といっていい緊迫したなかで、どうやってゴジラに勝っていくのか非常に興味がそそられる内容で、劇中ハラハラしっぱなしでした。

頼みの綱であった米軍は政治的な絡みで参戦せず、旧海軍の重巡洋艦高雄も相打ち覚悟で最後まで攻撃を加えるもゴジラの驚異的な回復能力と力強さに敗北するという劇中終盤付近まで「これ勝てるんかな?」といった具合で話が進みましたが、旧海軍技術士官の野田(吉岡秀隆)が立案した海神作戦と主人公の敷島(神木隆之介)の捨て特攻作戦によってゴジラを倒すことに成功します。

ゴジラが光線を吐く演出もカッコよかったですし、高雄が主人公たちの前に颯爽と現れてゴジラに艦砲射撃をかますシーンはカッコよすぎて心の中で「大日本帝国バンザイ!!!」と叫んでしまうほど脳汁ドバドバになりました。
これらのシーンは映画館ならではの音や大画面のお陰でより迫力のある映像になっていました。
これは何度かリピートしたい中毒性のある作品に仕上がっていたと思います。

少し物足りないなと感じたところを上げるとしたら、敷島を庇った大石(浜辺美波)が亡くなっていなかったことです。
ハーピーエンドといえばそれもそうなんですが、あれだけのゴジラの攻撃を受けて亡くならないのはさすがにフィクションが過ぎるので、わざわざ消息不明にせずにその場で大怪我を負うとか、主人公と一緒に生存してゴジラを倒すために一緒に頑張ろう的な展開でも自然にできたのかなとも感じます。

ただ、それらの面を勘案しても素晴らしい作品であることはかわりありませんので、映画に行くか迷っている人がいたら強く背中を押そうと思います。やっぱりゴジラは劇場で見てなんぼの作品だと思いますからね。



〈追加の感想〉
最初の感想を書いてから後からもう一度劇場に見に行ってみて思ったのですが、大石は大石じゃないのではないかと思いました。

何も考えずに映画を見ればあれはハッピーエンドの終わり方なわけでそれを自然と受け入れることもできますが、これはゴジラなわけですから裏のテーマというか考察の要素が含まれていると感じました。
ラストのゴジラが再生している?といったような今後に続くような終わり方もシン・ゴジラのラストのような不穏な終わり方などと同じようにどこか不気味な感じがします。
話は元に戻して大石復活の件になりますが、ラストシーンのゴジラが再生しつつあることと、大石復活の件は同じなのではないかと感じました。
ゴジラは驚異的な再生能力がありますが、これはG細胞といったものによって引き起こされていると言われています。これが銀座での一件で大石に感染していたとしたら普通なら亡くなったいても不思議ではない攻撃に五体満足で生還したことにも説明がつくと思います。
特に病院のシーンで大石の首にこれまでなかったアザがついていたと思いますが、それがG細胞と関係しているのかなと思いました。

もちろんあのアザは銀座での攻撃によって発生した黒い雨などの放射能汚染を示しているといったことも解釈できるわけですが、そうした様々な解釈ができることもこの映画をより面白くしてくれた要素だと思いました。
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