ゴン吉

ゴジラ-1.0のゴン吉のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
日本を代表する怪獣「ゴジラ」を描いた怪獣映画。
ゴジラ70周年記念作品。 
山崎貴が監督、脚本、VFXを担当し、神木隆之介が主演、浜辺美波がヒロインを演じ、吉岡秀隆、安藤サクラ、山田裕貴、佐々木蔵之介らが共演。 

太平洋戦争末期の1945年。特攻隊として出撃した敷島浩一(神木隆之介)は、搭乗した機体が不調と偽り大戸島の守備隊基地に逃亡帰還する。その夜、大戸島にゴジラが出現するが、敷島は機銃の引き金を引くことができずに大勢の友軍が犠牲となる。戦後、本土に戻った敷島は、赤ん坊と一緒の典子(浜辺美波)と出会い、共同生活をすることになる。典子は銀座で働き始めるが、ゴジラが再び現れて銀座を襲撃する…  

エンタメ作品としては楽しめる一方で、オリジナル作品のテーマである核兵器や戦争の悲惨さ、恐ろしさがあまり伝わってこない。
太平洋戦争末期に試作された極地戦闘機・震電や四式中戦車が登場するなど凝っているようで、史実では1946年に沈没した重巡洋艦高雄が、本作では1947年のシーンで登場するなど拘りの甘さが目立つ。
ラストはメッセ―ジ性が感じられず、さらにはオチは賛否別れるかもしれなが、個人的には興覚めで少し残念。
とは言えゴジラの迫力ある映像が楽しめ、昭和の東宝特撮映画に長年携わった伊福部昭のゴジラのテーマ曲や特撮メドレー曲が流れるなどのサービスが嬉しい。
昨今では太平洋戦争の特攻隊員を描いた映画はほとんどないが、奇しくも特攻隊員のヒューマンドラマ「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」が本作と同時期に公開中である。
特攻隊員を描いた両作品を見比べるのも面白い。 

2023.12
ゴン吉

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