ドルビーシネマで鑑賞。
映像がとにかくすごい。海を進むゴジラにしても、背びれが青く光って総立ちになり放射能を吹くシーンにしても、すべてが美しく恐ろしい。音もすさまじい。ドルビーシネマで見てよかった。文句なしの迫力でした。
あと一部特撮っぽい映像があったのも面白かった。
ストーリーは「国家が戦争して負けたから、民間が戦争して勝つ」だと思いました。
しかし、いくら国家に頼れないから民間で戦うにしたって、ゴジラのような強大な敵を相手にするには散発的に個人が動いても意味がなく、高度に組織的でないと無理ではないか。実際には全体を統率する組織があったはずで、そこがまるで見えてこない、描写されていないように見えたのが引っかかりました。
例えばゴジラを相模湾に沈めるにしても、それに必要な膨大な量のフロンを短時間で調達するには、相当な調査力・交渉力・経済力・統率力が必要なはず。そこをどうやって乗り越えたのかがわからない。「非常時だから皆が手弁当で応じてくれた」ってことなのかもしれないけど、でもそれでストーリーを進めるのは虫がよすぎないか?という気持ちがぬぐえませんでした(「虫がよい」という表現は適切ではないと思うけど、これしか思いつかなかったので使います)。
復員後も敷島の中で戦争は終わっていなかった。ゴジラとの戦いに勝利して敷島の中の戦争も終わったのだとしたら、「負けた戦争は終わらない」「勝って初めて戦争が終わる」ということが成り立つのかな、と思いました。
つまり「戦争するからには勝たねばならない」「負ける戦争は最初から避けるべき」。
もちろん単純化しすぎではあるけれど。
ゴジラが銀座に現れたとき、こんな時までアナウンサーが情緒的な実況をするのか、と思ったけど、似たようなことは今でもあるかも。
あと
「最初にゴジラが東京に現れたときに応戦した戦車を動かしていたのは誰なのか?当時日本が独自で動かせる戦車があったのか?」
なんて疑問も。
引っかかる点は多々ありましたが、わたしが軍事的なことに無知なせいかもしれません。