スープで繋がる関係って、いいですね。
映像全体がとても美しい。特に緑。森や顕微鏡で見た細胞、苔類の水滴を含んだ輝きが素晴らしい。まさに森林浴気分。
あとは電車。画面を横切る貨物列車や、レストランのバックヤードから見える電車たちが楽しい。
シュテファンとシュシュの関係って、名前も知らない、ただ「一緒に苔の観察をした」だけと言えるかもしれない。でも2人の間には、かすかでも確かなつながりがある。スープがそれを象徴していると思うし、取るに足らないと言って切り捨てられるものではない。
そういうかすかで形容しがたい関係が、生きていく上では案外重要なんじゃないか、と最近思うようになったので、この映画で、あるようなないような、でも確かに存在する関係をそのまま描いてくれて、それを見ることができてよかったと思います。
