ドン・テイラー監督作。
英国のSF作家:H・G・ウェルズによる1896年発表の小説「モロー博士の島」の二度目の映画化で、名優バート・ランカスターがモロー博士を演じます。
船舶が難破し密林の孤島に漂着した船員の青年アンドリューが、その島でモロー博士が行っている獣を人間化する恐ろしい実験を目の当たりにするという“マッドサイエンティスト+獣人モノ”で、モロー博士に保護された主人公が博士の実験の異常性に気づき島からの脱出を図っていく姿を、博士に買われて島で暮らすヒロインとのロマンスを軸に描いていきます。
獣を人間に作り変えて奴隷化するモロー博士の独善性&狂気性は十分伝わってきますし、様々な姿形をした獣人の特殊メイクも作り込まれていますが、終盤の脱出劇を除き全体的にもたついたストーリー展開が緊迫感&恐怖感を削いでしまっています。題材が面白いだけに惜しい出来のSFホラーですが、ランカスターに注射を打たれて獣人化が進むマイケル・ヨークの熱演(言葉を忘れていく)には目を見張るものがあります。