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ソフト/クワイエットのdemioのレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
3.5
作劇的には新鮮味はないけど。

ノンカットで「こんぐらいの知能の弱いレイシストの言いそうなこと」あるあるを延々言わせるあたり演劇っぽい作りなんだけど、かといってこれを舞台でやったら、「これはレイシストをえがいてるんですよ」という認識がちゃんと伝わらず差別発言がベタなメッセージになってしまい全然成立しないだろうなと思い、直接自分の目で見る演劇と、カメラという"覗き穴"から見る映画(観客は画面空間と自分を無意識に隔絶できる)がある中、後者でないと成立しないことをやっていて、思えばマーティン・マクドナーしかりカサヴェテスしかり演劇人が「映画って便利だなー」と思い、そのジャンルに良い意味でハマってしまうのって、その舞台と観客の間にカメラを一枚挟めることの利便性にありそうだなとか思いながら観ていた。
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