10年前に傷つけられた過去を水に流せず、ずっと淀みの中にいた主人公が、ある雨の日をきっかけに、川沿いの土手をゆっくりと歩くように人生が動き始め、やがて海へと導かれていく物語。原作漫画を読んだときよりも、水のイメージによって、タイトルがくっきりと浮かび上がってきた。
かつて「海街diary」で、自分ではどうすることもできない家族の問題を抱えた少女を演じた広瀬すずさんが、10年近い時を経て本作の主人公を演じることで、役柄を超えた説得力のようなものを感じた。どちらの作品も、クライマックスに浜辺のシーンがあり、カレーを作るシーンがあるのも印象的。