アヤノ

怪物のアヤノのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

私の好きな要素が詰まった映画だった。
2回目みたら違う映画になりそう。
公開日の今日の天気が大荒れなのもまたいい!

〜鑑賞後2日経って色々思考した結果〜

この映画、事実が語られる場面はなく、ラストシーン含めほとんどが観る人に解釈を委ねる構成。
"怪物だーれだ?"に対する答えもそう。
ミステリー映画と異なり、答え合わせや種明かしはなく、観た人の数だけ"怪物だーれだ?"の答えが出来上がる。
私の場合、この映画で描かれた"怪物"を「一面的な解釈による決めつけが生む加害性」と理解した。
湊の母親は、湊の話だけ(一面的な解釈)から保利先生が湊に暴力を振るっていると決めつけ、「豚の脳なのはあんたの方」と加害的な言葉を放つ。
保利先生も、依里の父親も、新聞記者も、保利先生のキャバクラ通いを噂していたママ友まで、全員があらゆる場面で、「事実」ではなく「解釈」による決めつけをしていた。(他にもたーくさん、そんなディティールが散見された)

そして鑑賞2日後にようやく気づいて鳥肌が立ったのが、「観る人の数だけ解釈が生まれる」というこの映画の構成そのものが、「怪物=一面的な解釈による決めつけが生む加害性」というテーマとリンクしているということ。(これも全て私の解釈です)

ひいては、だれだってこの怪物を持っているし、過去放出したことがあると思う。私もある。

もう一度観たい映画No.1です
アヤノ

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