dm16

怪物のdm16のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.1
公開初日。大雨の夜に鑑賞。

構成、映像、日常の生活音の取り上げ方、セリフ、音楽そのどれもが凄いなと思った。
けどもう何より、役者の演技(特に子役2人)に圧倒された。

同じ時間を別視点で3回繰り返す構成。
視点が変われば感じ方が全然違うという話。
繰り返されるごとに真相が分かっていくんやけど、何故こうなってしまったのか……と思わずにはおれんかった。

ラストの幕引きは一見とてもハッピーやけど、本当にそれで良かったのか?と思ってしまう。彼らにとっては幸福でも、別視点に立ち返った時の絶望まで想像するとしんどすぎる。

どうしても私には「誰も悪くない」なんて言えず。やっぱり嘘は良くないよ、なんて綺麗事を思ってしまうのでした。

本人にとっては重要なことやったんやろうけど、その嘘によってどんなことが起こったのか?事の重大さを理解して反省するまでのシーンが欲しかったなぁ。求めすぎか。

2人の秘密基地シーンをずっと観ていたい、そんな映画です。
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