ばあば

怪物のばあばのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

何が真実なの?と混乱させられながら登場人物それぞれの立場から描かれていく出来事。

教師にいじめられて傷つき奇行に走る息子。やっていないことを謝罪し学校を守れと言われる教師。

でもその実は、湊はいじめられていないし、堀先生はむしろ真面目な先生。校長が孫を失ったのは自分のせいだし、湊の昔の担任も組織に従う弱い立場。湊の父親は不倫中の事故で亡くなっていて、、、

僕はお父さんみたいにはなれない。
頭の中が豚の脳なのは人間じゃない。

色んな事実がわかってから出てきた言葉たちを振り返ると痛い。

誰にも手に入れられない幸せは幸せじゃない、誰でも手に入れられるものが幸せ。校長のこの言葉には腹落ちしきれずにいる。

でも嵐が去って再び依里と湊が笑顔で走り出すところはとても良かった。全てが壊れて訪れる新しい世界なんてない。そのまま、ありのままでいいんだと

【役者さんについて】
安藤サクラさん、子どもに寄り添いたい母の姿が切実で良かった。信じたいから息子の友だちを尋ねて確かめようとする。強い母だった。

柊木陽太くん、やっぱりこの子すごい。いつもニコニコ、切れたりしない。ナマケモノには特技があると思っている。自分の主張を受け入れてもらえない環境で育ったもの悲しさがあの笑顔からにじみ出してるのがすごい。
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