国家権力

怪物の国家権力のネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

麦野家はシングルマザーの親子二人暮らし。ある日から、息子に不審な怪我や、いじめのような痕跡や、異常行動が見られるようになる。という話。

三幕構成の、ホワイダニットもののミステリーなんだけど、簡単にそうくくるのもなんか違う気がする。

是枝裕和作品見るのは『空気人形』以来。

タイトルが『怪物』なので「さーて、どいつがサイコパスなんだい?」と、怪物探しをしながら見てしまい脚本の掌でブレイクダンスをかます。
「この子が少年A的な怪物なのかな」
「なるほど、先生が怪物なのかぁ」
「ん? この母親がモンスターペアレントってこと?」
「校長もやべー奴なんか?」
「ん? やっぱ子供が怪物?」
「え? もしかしてこの子が?」
と、ころころ怪物候補が変わっていき、三幕目あたりでようやく「目線が変われば、誰かが"怪物"に見える。怪物を作り出しているのは自分だ。」ということに気付く。
ポスターも後から見ると「だーれだ」とか書いてたんだねそりゃ踊っちゃうよ。

見た直後はなんで先生に「脳が豚」だと罵られたと言ってしまったのかがよくわからなかったけど
・星川君は父親に麦野君に恋愛感情を抱いていると打ち明けたことに対し”病気”だの”豚の脳”だの罵り折檻を繰り返していた
・その話を麦野君は知り、同じく星川君に恋愛感情を抱いてしまっている麦野君自身が、自分の脳も豚の脳なんだと悩む
・「結婚して子供を作る"普通"の幸せな家庭を作って欲しい」と願う母親に対し、星川君との関係を打ち明けられず堀先生をスケープゴートにしてしまった
ということでいいよね。

ラストはハッキリ描かれてないけど、あの廃電車がビッグクランチで生まれ変わるための場所ということで、亡くなったんだろーなぁと自分は解釈しました。

角田と獅童が全部悪い。
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