kamin

怪物のkaminのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

監督:是枝裕和×脚本:坂元裕二×音楽:坂本龍一
カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞作品。

この映画を観て思ったことは、
人は誰しも誰かにとっての悪者になる可能性があるということ、
自分の言葉が意図せず人を傷つけていることがあるということ、ですかね...。
内容が濃すぎて、1回観ただけでは全部理解するのは難しかったです...。

一部→二部→三部と見て行くにつれて、自分の中で悪意を向ける対象が変わっていくのがなんとも言えなかった。
一部で「こいつら、やべえ、人間の皮を被った怪物じゃねえか」となっていたのが、二部で、「あれ、こいつも実は被害者...?てことはあいつが全部悪いのか」となって、三部で、人は誰しも誰かにとっての怪物となりうるということを教えられた気がした。映画をはじめ、フィクションというのは、主人公がいて、敵がいて、(敵とは必ずしも生物に限らず、国家、自然災害も含む)その敵に立ち向かう、というのがわかりやすい構図で、その構図で描かれている作品がほとんどだと思う。自分もその構図に慣れていたので、無意識に敵を探してしまっていた。
だけど、現実の世界はそんなに単純な構図ってことはなくて、誰かにとっての敵にも家族がいて、その人を愛する人がいて...。
難しいですね...。

安直ですが、線路と少年ってところで『スタンド・バイ・ミー』を感じました。
これは一見の価値ありだと思います。
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