坂元裕二の良さと是枝裕和の一貫してきたテーマが合わさるとこんなことになってしまうんだ。
緊張感は最後まで突き抜けていったし
この映画のテーマは映画の外側へと広がって見た後の体への重みが凄かった。
カメラ内の情報と想像力をどう連結させる（させない）か。
想像力の誤謬という
毒饅頭を仕込んだ怖い映画でもあった。
今回のテーマは自分としても近しい経験があるから尚更、胸が抉られたが、子供の頃を振り返るとあの時あの場所にしかない記憶があって、それは主観的に整理されてしまっていて、それをこういう風に複雑さを維持しながら再び立ち上げる作業も必要なんだろうなと思ったり。
是枝監督の「倫理や道徳の境界線」や「社会規範」とされるものを疑い、それを超えようとする人々を描く姿勢が好きだし、今作は総決算かのように過去一スパークしてたんじゃないかな。
かつての是枝作品にはないくらい脚本の妙が光っていた。ここまで納得してしまうと、かえって退屈にも思えてくる捻くれた自分もいる（考察の余白はたくさんあります）。
でもまた観たい。
