初日朝イチ鑑賞。
是枝監督作は全て劇場で鑑賞してる程度のファンの意見です。
まず、今作は脚本が坂元裕二さんということで是枝作品との相性がどうなんだろうと不安もありました。いわゆる坂元節全開だったらどうしようと思ってましたがそれは杞憂に終わりました。素晴らしかったです、是枝さんの脚本って言われても気づかないくらい映画に寄り添ってましたね。
本作は短い期間に起きた一連の出来事、事件を親の視点、教師の視点、こどもの視点から順番に描き、立体的に真相に迫っていくというものですが、かなり淡々としていて、是枝リテラシーがないと退屈に感じてしまうかもしれませんが、本当によく出来ていて時間経過、セリフ、演出ひとつも無駄なシーンはなく感嘆しました。予告ではミステリー感を強調してますがこの映画の本質はそこにはありません。ネタバレにならない程度にお話しするといわゆるジュブナイル的な着地をするのですが、その真相が実に現代的なテーマで、本当に繊細でいて、さりげなく、何かを問うような結末にはなっていないところが坂元さんらしいですね。特に音楽室のシーンとラストシーンは忘れられないです。
坂本龍一さんの音楽も素晴らしかった、この映画の為に書き下ろされたのはわずか2曲ほどでその他は既存の曲が使われています。おそらく教授の体調の問題だったのでしょう。
ラストシーンに流れる名曲「aqua」からのエンドロールには涙腺が崩壊しました。
この映画で是枝作品はある種の到達点に達した気がしますね。ラストシーンの美しさは是枝作品ナンバーワンだと思います、控えめに言って大傑作。
