Ryo

怪物のRyoのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5
これはおそらく「視点」の物語。一軒家が高層マンションからの視点にもなるのはそれを示唆している?うなり笛、サイレン、管楽器の音、嵐、、どこかで発せられた音は誰かには美しい音楽に、別の誰かには不協和音もしくは怪物の鳴き声にすら聞こえているのかもしれない。
イジメ被害者の親には学校や教師は怪物、教師にしてみれば上司も組織も怪物、親は文字通りモンスターペアレンツ、子どもにとっても無邪気に見えるものほど凶器、連帯や興味、意識すら怪物。でもね、怪物なんかいないと思いたい。
表層ですら感情のバイアスがかかったりして実像が見えないのに、ましてや裏側にあるものなど見えないのが当たり前なのかな。自らの正しさに正直に生きているだけでこんなにも日々すれ違うと思うと、人の世は本当に無情で、生まれ変わっても何も変わらないという言葉が、諦めにも悟りにも思える。
木漏れ日がこんなに輝いていてもなお。


イオンシネマ草津
スクリーン2.H-10良い席
次回はG.11で鑑賞したい。
(下手側に通路があり11がセンター)
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