このレビューはネタバレを含みます
うーん、凄く良かった部分と、凄く引っ掛かった部分が両方あって
先に結論を書くと「傑作の類だとは思うけど好きにはなれない」という感想です。
心理描写と引き込む力は本当に凄くて
観る人の怒りを利用して話に引き込んで、完全に引き込まれたところで時間が戻り別視点になる作りは好みは分かれるとは思うけど目を離せなくなってしまった。
貼られた伏線を過去に戻って回収していく作りもかなり見事で、観ていて「あー、それはそういう意味だったのか…」を何度も味わえました。
特に子供の行動と説明は「いやこんな意味不明な事して、何を説明されたって納得なんか出来るか?」くらいに思ってたのにちゃんと納得出来た。そりゃそうするわ、子供だもん。って思える。
そういった子供2人の描写は明らかに一番力が入っていて、素晴らしい役者が揃ってる大人達と比べても演技も心理描写も相当なクオリティでこれだけでも観る価値はあると思う。本当に凄い。
じゃあ何が気に入らなかったのよ
っていうと学校と先生の塩対応
思い返すと明らかにあそこだけ異常で、行動も発言もリアリティラインが他と違ってたし、後から全く説明出来てないので「なんだったんだあれ?」が強く残った
その上この話って「怪物だれだ」みたいな言葉を宣伝に使ってるように「この人が怪物か?」と思わせておきながら「いや違うのか…あれはこういう事だったのか…」っていう作品になってるはずなんだけど
明らかにあそこだけ明確にあいつらが怪物だった。
「怪物だれだ」「クソ校長とクソ教師のクソ対応です」で問答出来ちゃう。
あそこで誤解解いてたら話終わってたかもしれないし、絶対にあそこまでこじれなかった。学校を守るためとか言われても結局大騒ぎになってるからそこの行動原理も不明なまま。
あと保利先生が飴舐めたり明らかに舐めた対応してるのも後の描写と全然合致しないし、観終わった後になっても「え、あいつなんであそこで異常行動してたん?」ってなる。
(飴も多少説明あったけど足りてないし、ちょっと空気読めない描写も本当に「ちょっと」ってくらい)
後からポスターや予告観て思ったんだけど、モンペも一種の怪物として登場させてたはずが、あの対応のせいで全然怪物じゃなく「完全な被害者」になっちゃってた。
母としては結婚がどうとか言っちゃってるのは今のご時世良くないのかもしれないけど、それ含めてもめちゃめちゃ良いお母さんだったよ
逆に先生と校長が「事情含めてもダメでしょあんたら」になって、バランス崩れてた
ちょっとこの作品は解説やレビューを読み漁ってみたい。他の人はどう受け止めてるんだろう。