なんとミステリーサスペンスの皮を被った恋愛映画だったとは
このリハクの目をもってしても見抜けなんだ。
大まかには三部構成。
そのうち第一部と第三部が特に好き。
第一部の安藤サクラは実在感が異次元で抜群に素晴らしい。
しかも東京03の角田もいるものだから
ヒリついたサスペンスでありながら
東京03のようなコントのような
笑ってはいけないけど笑ってしまう状況で
変なユーモラスさも兼ね備えている。
第三部のいわゆる種明かしパートも
瑞々しく甘酸っぱい物語。
本作ほど明確な経験はないけれども
ちょっと分からなくもない関係性が
なんとも切ない。
このすごく良い第一部と第三部の間で
割りを食ったのが第二部の永山瑛太パート。
ここも決して悪くはないのだが
ジョイント的な意味合いが強く
特に瑛太演じる保利先生の心情の展開についていけない。
私なら真相知ったところで麦野くんには
ブチギレだけどね。
本作のタイトル「怪物」
怪物は誰だと観ていた自分にハッとさせられる瞬間が
間違いなくあった。
嵐の夜に怪物はどこに消えたんだろうね。