アッパーパンチ

怪物のアッパーパンチのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

家か学校かの世界しかない彼らにとって、周りとのズレは絶望的な隔たりになってしまう。そんな中で自分の声を届けようとする2人は常に命懸けだ。そこに第3の、2人だけの世界が現れて、ビッグクランチがやってくる。2人が真っ向からビッグクランチを望み、土砂と対峙する姿は見ていて切なくて痛々しい。全てが元に戻ってできた新しい世界の道は、どこまでも伸びている。2人の小さな幸せがずっと続くように願ってしまった。

大人たちはなぜ誰の話を聞かずに自分の不安を取り除こうと常に行動するのか。
大人の方が大きな世界を知っているはずなのに、1番視野が狭い。誰かの全力だけれど小さいメッセージを私は受け取ることができているのだろうか、考えさせられた。

豚は上を向ける、誰かだけの幸せは幸せじゃないという言葉たちが心に残った。

全員の演技が自然で、感情移入がすごい。安藤サクラやっぱり大好き。坂本龍一のピアノも感情を煽ってきた。

怪物だーれだ