せきい

怪物のせきいのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.1
正義と悪で区別する一主観的対立や、正義の反対はまた異なる正義という主観対立から抜け出たところにある映画だと思った。

各視点に立つと、彼らはやや引っかかりはあるものの概ね善い人で、それを異なる主観から見ると所謂悪い人に見える。

ここでの問題は、この視点によって生まれる善悪の差異が、各々の思想の違いだけから生まれるのではなく、その他多数の、所謂社会と呼ばれるものを介して歪められている点である。

「概ね善くて少し悪い」、それらの絡まりがとても悲しい結果を生む。その責任所在を特定のところに求めることに意味はあるのだろうか?この絡まり、ここを紐解かないと変わらない気がする。

「少し悪い」がない人なんていないのだから。
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