このレビューはネタバレを含みます
GIFTの感想を残しておきたくて、このスペースをいただく。
石橋英子の依頼から始まったこの企画は、映像素材を同じくする「悪は存在しない」と「GIFT」の2つの作品を生みだした。「GIFT」は石橋英子の生演奏と、山﨑梓がメインで編集した無声映画が合わさる、セッション的作品。
音がないことで、言葉がないことで、代わりに石橋英子の音楽があることで、伝わる雰囲気に、圧倒されたり、逆にぼけっと自分を顧みたりした。
トークセッションで濱口さんは、「映像はすでに決まっているはずなのに、石橋さんの演奏によりセッションのようなものになる（要約）」と言っていたのが印象的だった。
たしかに音が無くなる前までの演奏が、あたかも映像のソロパートまでのつなぐベースのように聞こえ、映像のみでセリフ字幕も一部しか当てられない対話シーンが、より本質的な情報を私に提供してくれたように思う。とすると、演奏のソロパートとは何なのだろうか？ここにさらなる広がりへのヒントがあるように感じた。
今回は体験としての感想のみ残して、物語自体への感想は保留。まだすとんと落ちていないから。「悪は存在しない」を観て、書けたら書こうと思う。
