なくたひで

怪物のなくたひでのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

でっちあげ?マザーパラサイト?
いやジュブナイルもの?
いやいや是枝オリジナルです、って感じ。

構成はよく出来ていて、漏れなく皆さん素晴らしい演技だったと思います。

構成の良さの裏返しなのかもだけど、湊の感情というか行動は少し極端には感じた。(それが本題とのミスリードを生んだ気もする)

これを見て改めて感じたこと。
 ・現代の多様化は(誰でも)幸せを手にすることができる可能性が
  高くなるという点では然るべき方向なんだと改めて感じた。
 ・“ふつうが1番“ってのはもはや思考停止なのね。
  そしてそれが呪縛にもなり得ると。
 ・まだ自分の頭はこの多様性を受け入れる事を、
  ガチャ、くじ引きって感覚が拭えないので、早く価値観をアップデートしたい。本質的に。

「誰かにしか手に入らない幸せなんてしょうもない」

「誰にでも手に入るものが幸せ」

的な台詞はとても心に残りました。

最後に。これ見ると子育て不安になるわ。
どの立場でもしんどいです。(子供側)

以下、雑感。
 ・で、校長先生はどっちだったん?
 ・塩対応が極端過ぎない?
 ・湊の嘘もちょっとやりすぎでない?
 ・保利先生にそこまで恨みなくない?
 ・保利先生も対応が極端過ぎない?
この辺は構成の良さの犠牲になった違和感と解釈します。
 ・子役の使い方が上手いのは巨匠という師匠の言葉を思い出した。
 ・サイレンの音を発車音とするカタルシスはすごい。震える。
 ・上記の違和感も最後のカタルシスのためと思えばやむなし。