Masa

怪物のMasaのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

忘れていた子供時代、あらゆるものが絶対的で、美しく、果て無く、捉え難く、脆く、無限で、万能であり無力でもある、そんな世界に圧倒されながら、感受性を震わせてまだ野生動物のように転げ回っていた日々を描き思い出させてくれた映画。

前半はサイコサスペンスみたいで、教育現場のブラックさや忖度社会を揶揄しているのか、、なんてあれこれ想像を巡らし、羅生門っぽくもあり、後半はトリュフォー?ざらざら感をずーっと引き伸ばされてたぶん、後半のカタルシスやばかった。

限られた人だけが得られるものは幸せとは呼ばない、誰でも得られるものを幸せと呼ぶ、みたいな校長のセリフが印象に残っている。

怪物は、だれでもなる可能性があり、日常のちょっとした歪みに潜んでいる。
けれども、自分や他者の中にあるピュアなモノを、最終的には信じられるような映画。
音楽が印象的と思ってたら、エンドロールに坂本龍一氏。なんとも心が揺さぶられる映画だった。
Masa

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