怪物のはれのネタバレレビュー・内容・結末

怪物だーれだ？

あてっこゲームでもあるこの問に当てはまるのは、あの人はこういう人間だからこうに違いないという『決めつけや思い込み』、マイノリティを拒絶する『マジョリティの世論』だったりするのでしょう。

これは当然とした上で、私が最も怖いと思ったものは、度々間接的にちょっかいをかけてくるクラスメイトの女子生徒でした。
雑巾を投げ返して喧嘩を焚き付けたり、お得意の『先生への告げ口』をしたり。
彼女はいつも退屈そうな表情を浮かべて、授業中でも堂々と漫画を読んでいます。その表紙は男性同士の恋愛を描いた所謂BLというジャンルでした。

異性愛者であろう彼女は湊に好意があったのか、仲のいい男子同士が気になるのか、どちらかは知らないけれど、きっと『見ていた』。見ていたから、湊と星川の感情や関係性に気づいていた。
嫉妬と羨望の混じった眼差しで、漫画の中の恋愛のように2人の絆を見ていたように思います。

物語のように他者の感情を消費する、傍観者という名の怪物。

是枝監督の作品として観に行ったので、少し星が減りましたがとても良い作品でした。