最初は麦野の母の立場から、次に担任の先生の立場から、そしてみなと君とより君の立場から描かれている事に気付く。
こうも立場によって見方が変わるものかと、ショックを受けた。
そして、何よりも子ども達の立場。大人が思っているほど子ども達は子供でない。親は一見寄り添っている、ひたすら寄り添おうとしているように見えるが、子ども達の奥底まで到達する事はできない。子ども達の世界は大人が思っている以上に独り立ちしている。最後に、山崩れの音に「出発するのかな？」「出発の音だ」の会話が、2人の世界観を物語っている。脱出した世界のなんと晴れ晴れしいことか。2人は、2人の世界で生きていく。
