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怪物のUNIのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

全然情報入れず観始めたからジメッとした胸糞映画かなーくらいで思ってたけど時系列を反芻しながら3視点で観ていくと物語が進む事に観方がまるで変わる。
"怪物"って分かりやすいサイコ的な事でなく人間の内にある誰にでも潜むようなそんな"怪物"の事か…と気付いてからもう先生もいい先生なのに子供の複雑な事情に気付かぬ内に巻き込まれ転落して、子供二人も幼さと戸惑いの中の難しい時期にその純粋さで自分達の傷を埋めながらも抉ってるのめちゃくちゃ綺麗と同時にしんどかった。
視点が変わる事に"怪物"は変わっていく。
結論終盤頃には誰が怪物なんや?となるので本当に視点でそれぞれの怪物がモヤモヤと存在しているだけで強いて言うなら星川くんの父親が分かりやすい怪物だなとは思った。あと観てる側の自分達も結局視覚情報だけの決めつけから「なんだこのとんでもない奴💢」ってなるのでこういう所から怪物は産まれてくんだよっていう暗示なのかな。
原作見てないからとは言えここの描写はどうして?みたいな場面もあるんだけど、水面下の事なんて本当に見えなくて不透明なものなんだな。校長先生の所もハッキリとはされてないけど子供が嫌いという訳ではなさそうな事、負い目からかなんなのか床に膝をついてひたすら汚れを削ってる姿が印象的。
こんなに上手くいかないものなの?と思いながらもいよいよラストでは中盤では行けなかった行き止まりの線路の先が開けていて嵐も止んだ晴れ渡った空の下を泥だらけで幸せそうに二人で駆けてくシーンでまじで泣いた。その後の事は一旦置いておいて、自分的には最高のハッピーエンドで良かった(2人にとっての)


【追記】色んな人のレビュー見て、ラストの意味が本当によくわかってない人とわかった上でそれがクソだなと思う人と私みたいにいいラストだったなと思う人などで綺麗に分かれててそこも含めて面白いなあと思った
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