ユダヤ教の伝承を基にパウル・ヴェゲナーが監督したゴーレム映画の三作目。監督自身がゴーレム役で出演しており、後に『フランケンシュタイン』に影響を与えたことで知られる。ドイツ表現主義を代表する一本。ユダヤの民が皇帝により退去を命じられるが、指導者レーフが悪魔の力を借りてゴーレムを創造し、民族の危機は回避される。しかし、自我の芽生えたゴーレムは暴走を始め……〈皇帝―ユダヤ民―ゴーレム〉の利害関係と展開はハーメルン伝承における〈鼠―人間―笛吹き男〉を彷彿とさせる。ゴーレムが少女を抱き上げるラストシーンが印象的。
(鑑賞メーターより転載)