MMM

ミステリと言う勿れのMMMのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんやかんやあって遺産相続の争いがはじまって、なんとなくしおじの演技が胡散臭いなー素人の女優さんっぽいし仕方ないかーと思ってたらまさかしおじの自作自演でそれも含めての演技!?だったら演技めっちゃ上手いじゃん!と思い始めてからどんどん物語に引き込まれていった。しかし、冒頭から明らかに何かを知っていそうな滝藤賢一、途中からぱったり出てこなくなったが絶対に何かあるだろうと想像させるキャスティングの車坂家と弁護士一家のおじいちゃん。あの日の朝、オレンジジュース飲めばよかったというシオジの話から、あ、これはオレンジジュースに毒かなにか細工がされてたんだろうな、だとしたら朝ごはんに細工できるのは嫁の鈴木保奈美かな…と色々推理してみたりもした。松坂慶子とか脇役のキャストまで漏れなく豪華で、全員怪しく見えるし全員犯人でもおかしくない。
鬼の話が普通に怖くて、蔵の下から骨が出てきた時にはこれはホラー映画か!?という感情に。そして序盤から地味にいるけど物語の大きな展開には関わってこない松下洸平…絶対に何かある…。
色々怪しい人ばっかり大量生産されてたけど、まあどんでん返しということはなく普通に鬼3人は弁護士、税理士、狩集家で普通に松下洸平が犯人だった。でも、そのあとにしおじがお父さんが怪しいって教えてくれたからだよって言ったところで脚本のえぐさを感じた。しおじはこれから罪悪感を背負って生きていくのだろうか…
松下洸平もまた幼い頃に、固まってないセメントに色々物を落とされてしまった被害者でもあるんだよな。風習とか伝統とかの煩わしさと恐ろしさを感じる脚本。
そして感じたのは、やっぱりこの映画ストーリーはミステリーで見てる側が謎解きをする物語なんじゃなくて、犯人とか被害者とか、色んな人の心の内面の傷を描く物語なんだなって感じた。だから「ミステリという勿れ」っていう題名なんだなって。

広島の風景が素敵で広島に行きたくなった。
町田啓太と松下洸平がイケメンすぎた。焼き芋大きい方をくれる松下洸平に恋に落ちたけど、最後の整うくんの焼き芋大きい方をくれるからって良い人とは限らないみたいなセリフが刺さった。表面上の優しさに騙されないでその人の本質を見なければいけない。焼き芋大きいのをくれるのは下心とか罪悪感とか、人の優しさってそのまま受け取ってちゃダメなのかな。生きづらいな。
優しさって一体なんなんだろう。難しい映画だ。
MMM

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