MMM

流浪の月のMMMのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

長尺の映画だったけど最初から最後まで目が離せなかった。すごい映画だった。
顔面血だらけになる演技が似合うのは広瀬すずだけだと思う。最初は広瀬すずってあんなに勝ち組な顔してるのにちょっと不幸な境遇役が多いのなんでだろうって思ってたけど、あの役演じれるのは広瀬すずしかいない気がする。

小児性愛者いわゆるロリコン男が女の子を連れ去ったっていう事件だけど、文はさらさに一切手を出さないし、微笑ましく見守るだけで、違和感を覚えつつそういうタイプのロリコンもいるのかあって納得してしまってた。けど彼女と別れる時に一回もしなかった理由を尋ねられて歯切れが悪そうにロリコンを理由とするシーンで何か別の理由があるんだなあと。でもそれは全く分からなくて。
そしてラストでその理由が明らかになって、文にとってはロリコンということよりも病気のほうがきっと誰にも知られたくないことだったんだなあ。そして実際にフミはロリコンだったのか?ロリコンというよりはさらさが好きだったのかな…?

人間の思想信条は誰にも責められないものだけど、小児性愛者という思想?を持ってるってだけで子どもに手を出してなくても責められる対象になるのもかわいそうというかなんというか辛いよね。
子供のほうから望んで一緒に住んでて、手を出してなくても罪になるのか…どうなんだろう。

あの婚約者役の横浜流星のモラハラDV彼氏役がすごすぎた。イケメンなのにすごい嫌なやつだった。しかも初登場シーンからなんとなく嫌なやつオーラを纏ってた。
DVするのとか論外だけど、相手の許可求めずに体求めてくるのとかだるいし嫌だよね。本当に嫌なやつだった。あの彼氏はさらさが落ち込んでたり、夜泣いてたりしても気付いてないのか知らないけど大丈夫?の一言もないんよ。文くんはそういうところちゃんと気付いてくれる人。婚約者の前や同僚の前では、謙虚でスンとしてるけど、ふみ君の前では子供の時のように自由で元気なサラサで本当の自分を出せる場所がふみ君のそばだけだったんだろうな。

そしてサラサも預かった子供をフミに預けたりするんは軽率だったなとしか思えない…
というファミレスで働く同僚のおばちゃんたちみんな大阪のおばちゃんファッションだったの何?

子役の子もドラマとかでよく見かける子だけど可愛いし演技上手いよね。

映画の中の聴衆もだし、映画を見てる観客もふみ君はロリコンって思い込んで決めつけて、他の可能性を考える必要があったのかもしれない。そして病気とかで身体的に何かかけてる人や、思想的に他の人と違ってる人、みんな好き好んでそう生まれたわけじゃないのに世間の風当たりって冷たいよね。
MMM

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