れおん

ミステリと言う勿れのれおんのレビュー・感想・評価

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
3.1
うちの遺産相続はいつも争う形になって、必ず何人も死人が出てる。広島の名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれてしまった、天パのおしゃべり大学生・久能整。遺産相続の先にある、一族に隠された家族の絆と深い闇に迫る。
「人は弱くて、壊れやすくて、倒れることもある。それが当たり前だと、誰もが思えたらいい...」

2022年1月期・フジテレビ系「月9」のテレビドラマ『ミステリと言う勿れ』の映画化。

「ミステリ」と題するからには、ジャンルとしてはミステリーなんだろうけど、ストーリーは陳腐、加えてクライマックスの謎の解明にあたっては、「コメディ」のような演出。久能整くんのキャラクター頼りすぎ。登場人物皆、面白みがない。"家族"でありがちな兄弟姉妹の属性を揃えた感じ。原作側の問題か、制作側の問題か。

連続ドラマ映画化作品における、いわゆる残念な部類に入ってしまう完成度。ドラマと映画はその性質上、明確に異なる映像コンテンツであるところ、その峻別ができておらず、ドラマの延長線上に製作されていると、非常に残念な気持ちになる。

出生や家族は、その人物の人格形成、理性や感性の構築において、悲しいことに重要な要素となってしまう。本作品の犯人然り、逃れられない運命に逆らえず、いつしか自我となって人生を歩む姿には切ない気持ちにならざるを得ない。
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