24年ぶりにはじめて恋をした相手との再会。もし君がソウルを去らなかったら... 会いたかった記憶の中の人と再会した七日間。「運命」の人だったと気づく二人。しかし互いに、今は別の人と人生を共にしている。再会した二人が悟った「摂理」の末に、新たな人生の歩みを始める。
文化と言語の壁は超えられることを、この「映画」は証明する。登場人物を極限にまで絞り、それぞれの人生や価値観を繊細に物語に落とし込む。繰り広げられる人物の会話劇に写り込む情景と物質から、目線や動作から伝わる人物の心の機微まで。単なる映像の美しさとして一言では片付けられないほど、精巧に二人の世界が作られている。
比較的、心と精神に余裕があり、文学的で大人な三人による恋物語は、美しくもどこかファンタジー・異郷訪問譚的にしか捉えられず、没入するまでには至らず。ただ気高い部分だけでなく、感情の起伏を、人間の表裏を、描き切ったところは、「映画」らしかった。にしても、三人とも人生何周かはしているぐらいには、成熟しすぎている印象。人間はもっとむごいものだと、「映画」に教わったはずなのに。