このレビューはネタバレを含みます
超泣けるところもあるし、感動的なアニメーションのシーンもある。一度乗ったら必ず満足させてくれる、それがピクサー作品という船!親の期待に沿わねばと生きている人にはドンピシャにささる。
脚本のピーターソーンのご両親が韓国系の移民だったそうで、そのバックボーンを存分に感じられる作品だった。「なんでも揃ってる」から自分の地区からは出ない、というのはアメリカ社会でもあるあるなんだろうと思う。
火と水が一緒になるなんてありえない!という価値観をエンバーたちはぶち破るわけだけど、やる前から無理!ありえない!といわれていることを、触れ合ってみたら意外といけたってこと結構あるんじゃないか。変化の第一歩ってそう言う感じなんじゃないかと思って勇気になった。
作品の中であまり言及されてなかったが、エレメントシティのほとんどが、火の人々にとって暮らしやすいように設計されていない。風の人たち行うスポーツも、応援席にいる人たちの中に火の人々はひとりもいない。電車が走るときに水がザバァーっと落ちる設計なんて、あんなの火の人々に当たったら死んじゃいますからね?!こういう描写ひとつひとつが、強者にとってデザインされた現代社会の風刺なのではと思ったりした。
水害によって壊れたエレメントシティをエンバーが芸術力で復興させてくラストなのでは…?と勝手に思っていたから、ラストで二人がエレメントシティを離れるのは少し意外だった。
ノンバイナリーのキャラクターをノンバイナリーの声優さんが演じられてるみたいなので、日本の吹き替えのキャスティングもそうあってほしいと思いました!