せりな

ナショナル・シアター・ライブ 2023 「るつぼ」のせりなのレビュー・感想・評価

4.0
セイラム魔女裁判を取り扱った作品なので、非常に重たい内容ではあるが、演出もキャストの演技も素晴らしいので一見の価値があります。

アーサー・ミラーの「るつぼ」は、抑圧と集団ヒステリーが悲劇の発端と捉えているのかなという印象だった。
当時の子供達が置かれている環境と、宗教的な抑圧、教会や裁判官たち権力者たちの自己保身。そう言ったものたちと、住民たちの間にあったトラブルが複雑に絡み合って、後に引けない状況に追い込まれていく様は非常に恐ろしい。
何かがおかしい、間違っていると思っても、次は自分が魔女と糾弾されるのではないかと、何も言えなくなってしまう状況は現代でも起こりうる事で、「るつぼ」が描いている世界には普遍的なものも含まれていると思う。
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