出征した婚約者（下元史朗）の帰還を待っている娘（花真衣）が、悪徳組織の策略によりSM調教を受けてしまう。マゾヒズムを植え付けられた薄幸美人の生き様を描いている、新東宝配給のピンク映画。

本作では、80年代に自縛ショーを展開していたSMパフォーマー・花真衣をヒロイン役に起用。自分の身体を縛り上げていく様子が、ほぼノーカットで収められており、滑車を利用したセルフ吊り上げ、セルフロウソク責めなどを披露してくれる。

恋人の出征後、悪徳組織の毒牙に掛けられたヒロインが、強引に刺青を入れられ、緊縛・折檻・凌辱の波状攻撃を受けまくる。いわゆる「心と身体の乖離状態」がモチーフとなっており、心で恋人のことを想っていても、身体があんなことになってしまう。

まるで「奇譚クラブ」に掲載されたSM小説を、そのまま映像化したような世界観。基本的に花真衣の一人舞台であり、男優側のキャラクターが弱いけれども、インモラルなアングラ感覚を楽しむことができる。

本物の凄みと美しさ