Nove

その夜の侍のNoveのレビュー・感想・評価

その夜の侍(2012年製作の映画)
3.3
ひき逃げによって妻を亡くした夫と、刑期をおえて出てきた犯人。
被害者と加害者の両面から悲しみ、喪失感、憤りを描き出す表現。
両者を均等に、葛藤があることを見せたかったのであろうが、加害者は全くもって最低の人物でありすぎる。こんな人間にもついて来る、もっと弱い人はいるとの主張かも知れないが、これを侍とは決して言えない。
その夜の壮絶な闘いを描くための布石として、それまでの経緯を見せつけておいたとしても、余りにも後味が悪い決着である。
世の中は、こんな不条理な世界であることを、あえて描きたかったのであろうか。
あんなやつが、野放しの終わりはない。
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