このレビューはネタバレを含みます
幸せは誰かの犠牲の上に成り立っている、という企画の料理が見事
老人と若者、いじめっ子といじめられっ子、夢を叶える者と諦める者、長編だからこそできる多角的な視点で強者と弱者を描けていた
奇妙な人間の動き、不気味な間などセンス溢れるホラー演出に脱帽
主人公の感情の波が曖昧で、それすらも恐怖となっていた
一方で物語の切り替えが伝わりにくい印象
村内の設定が説明されるシーンが皆無だが、それゆえの不安定さと、後半で主人公が「あなたも気づいてたんでしょ」と言われる展開にハッとさせられる
祖母役の芝居の不安定さが心地いい
音楽も常に外しがあって、不気味さをうまく出していた
やや理解不能なところやクライマックスの物足りなさ、物語としてのツイストがあると良いと思った