マルカマーク

霧の淵のマルカマークのレビュー・感想・評価

霧の淵(2023年製作の映画)
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舞台になっていた集落は、晴れていても光より影のほうが色濃く感じた。

出てくる人物がみな幸せそうに見えなかった。
人間そう簡単に幸せではいられないから、それが当たり前なんだろうけれど。
都会でも郊外でも、人は基本「ひとり」なんだよなって考えたりした。

主人公がなぜ「イヒカ」という不思議な名前なのか気になったので調べたら、日本神話に登場する神の名前だった。
イヒカは母親はじめ周りの大人とあまり話さない。だから何を考えているかわかりにくかった。
でも「わたしはまだ子どもやから」という言葉を話したとき、周りの大人が好き勝手にやっているなか感情を無意識に押し殺していた自分の子どもの頃を思い出した。
それからは、イヒカを大切に見ていた。

ウグイスの鳴き声も印象的だった。
自分の町でもこの季節、よくウグイスの鳴き声を聞く。
聞くたびに、この作品のことを思い出している。