舞台挨拶付きの試写会。荻上直子監督、主演の筒井真理子さんや芸人のみなみかわさんも登壇。「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」でも舞台挨拶付きの試写会で当時観たので、今回荻上直子監督を拝見するのは4度目。ご縁があることに感謝してます。相変わらず荻上直子監督は面白くてお茶目、発言にお人柄が出てました。
夫の父の介護中、夫が失踪。その後新興宗教に嵌る主婦が主役（筒井真理子）。そして失踪した夫の予想外の帰宅、夫のガン、アルバイト先のスーパーのクレーム客、息子の聴覚障害のある恋人、近所トラブル…。日常どこにでもありそうな波紋、モヤモヤを描いています。
アルバイト先の清掃のおばちゃん（木野花）と仲良くなり、彼女の「復讐しちゃえば？やっちゃえば？」みたいなセリフで、少しずつささやかな復讐をしていく主婦の依子。それによって閉塞感あった日々が少し風穴が開いたよう。最後は夫も亡くなり、心晴れて喪服姿のまま玄関先でフラメンコを踊り出す…。
いつもながらセリフが利いていて、クスッと笑えて楽しかったです。テーマが重いのにあまり重く感じさせない映画。監督らしいと思いました。今までの「かもめ食堂」などの映画～ゆっくり時間が流れて、のほほんと癒されて、心温まる感じの路線とはちょっと違いますが、この映画はこの映画で良かった。
また清掃婦が「息子がなかなか戻らない」といっていたのに、既に息子は亡くなり、家がごみ屋敷になっていたのを見て主婦の依子が号泣してるシーンが印象的でした。それと新興宗教の踊りを観た瞬間、「めがね」の踊りを思い出しました。監督、この手の踊り好きだなあと思った。上記３作品のほか「彼らが本気で編むときは、」を観てるのですが、これを機会に他の監督作品も探して観ようかなと思いました。
