はちみつちゃ

波紋のはちみつちゃのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
4.5
筒井真理子さんが好きなので、絶対観ようと思っていました。
ただ、予告によれば「長いこと失踪していた夫がある日いきなりガンを患って帰ってきた」「息子が連れてきた結婚相手がどうにも気に入らない」「主人公はあやしげな宗教にハマっている」ときたらいかにも気が沈みそうなストーリーが予想され、心の準備がかなり必要でした。

さて実際ですが、予告から予想されたことと大きく違うことが起きるかというとそんなことはなく。
しかしながらどこか沈みきらずに見ることができる展開。そして気持ち的には予想しなかった面白さが待っていました。
案ずることなかれでした。

ただ、男性やお若い方には共感は難しいかもしれないです。これマウントとかじゃないんです。あまりに主人公をはじめとする女性陣の年代の煮詰まりが濃いから多分評価割れるんじゃないかなって。

なので4、50代の女性には特におすすめしたい。この女優陣ですから言わずもがなで期待できますよね?(男性俳優も間違いなく好演です)
そう…。主人公をとりまく女性たちがそれぞれに役の個性を光らせているからこそ見た私を元気にしたのだと思います。

木野花さんの役どころがまたいいんですよね。映画館では笑い声も起こりました。
主人公との会話には元気が出るし、あと主人公と同じタイミングで泣きました。場面を経て、お掃除した仏壇にお菓子がありました。そこでまたああやっぱりそうなんだ…という確信があり。

キムラ緑子さんの役もまた説得力がある。

夫役の光石さんの行動がまた…。これは妻歴が長めな方には妻が眉をひそめる「それな!」という分かりみポイントがいくつもあるのではないでしょうか。筒井さんの目の演技好きです。


結論。
絶望感の中に希望ありありでした。
生活のどこかに面白みをもっていたい、たまには人を呪おうかなと思いましたよ。
念じるだけならいいんじゃないって。笑
(洗面所のあれは私は無理ですけど)
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