Jellyfish

水いらずの星のJellyfishのレビュー・感想・評価

水いらずの星(2023年製作の映画)
5.0
ある女が、別れた夫と共に過ごす一夜の物語。原作は戯曲らしい。

全編ほぼ女 河野知美 と男 梅田誠弘 二人の会話劇。それが余りある余韻をもって実にスローに進行する。そのペースにシンクロするのに少し時間を要するので、その間に脱落する人がいても無理はない。

2時間半超もあり、何か大きな事件が起こるわけではないのだが、二人の演技と、その余韻と、妙な可笑しみと、徐々にズレ始める現実感と、この先に一体何が待っているのだろうという興味と、ラスト1時間くらいからの転回で、飽きることがない。

キーワードは、赤い非常灯、一万円、うんこ、目玉、スプーン、レプリカント、そしてもちろん水。と聞くと見たくなって来るでしょう?
しみったれたスナックから始まり、最後はちょっとしたセカイ系で〆る。終わってみれば不思議な満足感で満たされる映画。


以下パンフ (¥1200) 情報
・本作のプロデューサー 古川知美 = 主演 河野知美 であり、自身の主演作の製作を監督に依頼し、提案されたのが戯曲「水いらずの星」だった。
・本作は戯曲の台本をほぼそのまま映画化している。
・撮影に入る5日前に河野の乳がんが発覚した (驚)。
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