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シック・オブ・マイセルフのxavierのレビュー・感想・評価

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)
1.0
最狂の承認欲求モンスター誕生…
シグネはアーティストの恋人トーマスが脚光を浴びたことを切っ掛けに激しい嫉妬と焦燥感に駆られる。ある副作用を引き起こす事が知られている違法薬物リデクソルに手を出した彼女は、
副作用が出て入院を余儀なくされる。
そして心配するトーマスの姿を見て充足感を得たシグネだったが承認欲求は収まるどころか激しさを増していく…
ストーリーはこんな感じ。

ここまで不快な作品は観たこと無いな
この作品の主人公であるシグネとその恋人トーマスが最悪なんだわ。
作品の最初のシーンでトーマスが高級ワインをボトルで頼み、お金も払わずワインを持ち店から逃げるシーンが有るんだけど、それがまだ可愛くみえるほど、その後のこのカップルの行動はえげつない。特に、シグネの方がねぇ
まず、このシグネ、自分が他人よりも注目されないと気がすまないんだよね
勤めてるカフェの前で通行人が犬に噛まれるって事件が起き、ボォーと突っ立っていたシグネの胸に噛まれた通行人が飛び込んできて、着ていた制服が血に染まる。そして救急車を呼ぶこともなくオロオロしていた。通行人は他の人が救急車を呼んだお陰でなんとか一命は食い止める事が出来た。
その後のシグネの態度がねぇ…
救急隊員に褒められたシグネは自分が自ら怪我をした通行人に駆け寄り、誰も救急車を呼ばないから自分で呼び、来るまで懸命に看護したと雄弁に語りだす。実際は全く逆なのに…
また個展を開く事になったトーマスに、お祝いのパーティで注目が集まる中、突然ピーナッツアレルギーだと言い出し、わざとピーナッツを食べて気を失ったフリをする。それもトーマスがスピーチをしてる最中に…
この時点で、シグネに対しては不快な気持ちしかなかった。
そして、このシグネはこれ以上のとんでもない事を仕出かす。
それが違法薬物リデクソルの服用。
副作用がかなりの確率で出ると書かれていた記事を読んで、自分にも副作用が出れば注目が集まると踏んだシグネの仕業だった。
まぁ、ミュンヒハウゼン症候群(自分が怪我や病気であると偽造し、必要以上に周囲の気を引いて同情を買うことで満足感を得ようとする行動をしてしまう精神疾患の病気)だよね。
で、シグネの企み通りになっていく…

一方のトーマスもシグネほどはないものの、まぁまぁ酷いよね。
シグネと一緒ぐらい承認欲求が強いトーマスも、自分に注目が集まらないと気がすまない。ワインを盗んだ事を、自慢気に友達に話すこともそうだし、
他の人のセレクトショップに自分の気に入った物があると盗み、それを自分の個展に自分の作品として展示するんだから、トーマスもなかなかイタイ奴

とこんな感じで終始見せられるもんだから、モヤモヤが溜まり不快でしかない。だからシグネの結末も、さほど可哀想とも思わんかったしね。
まぁ、個人的には全く嵌らんかった
そう言えば、この作品A24とアリ・アスターが激賞してたらしい。
そりゃ個人的に嫌いなスタジオ&監督のオススメだから嫌いなのも当然だったかもなぁ…
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